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2000 年度 実績報告書

旧スハルト体制下インドネシア農村の開発と支配に関する比較社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610211
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

黒柳 晴夫  椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (80097691)

キーワードスハルト体制 / 村落統治制度 / 村落組織 / 相互扶助組織 / 国民統合 / ノンフォーマル・エデュケーション / 開発 / インドネシア農村
研究概要

本研究は、インドネシアの第2代大統領のいわゆるスハルト体制下ですすめられてきた農村開発政策が、他方で国家による農村社会の強力な中央集権的再編であったことを、さまざまなジャワ農村社会の事例研究をとおして解明しようとするものである。
上記の目的のもとに、本年度は次のような作業をおこなった。(1)「1979年インドネシア共和国法令第5号」による地方行政制度・村落統治制度に関する関係資料の収集と分析、(2)農村社会、とくに行政村の下のいわゆるドゥースン(dusun)と呼ばれる集落ににおける諸集団(行政組織、隣組、婦人組織、青年組織、農業生産組織、宗教組織、相互扶助組織等)の組織化とその上意下達的な再編に関する事例報告等の資料収集と分析、(3)教育による農村社会の民意の向上や国民統合の推進に関する資料の収集と分析、等をすすめてきた。資料の収集は、国内の大学やアジア経済研究所等の研究機関、およびインドネシア領事館を訪問し、さらにインドネシアからの留学生にインタビュー調査をおこなって実施した。
これらの資料分析による成果として、本年度は2つの論文で、(1)上からの開発政策の推進にともなう商業経済の浸透によって、農村の伝統的な相互扶助組織が預金・貸付信用組織としての機能を持つようになり、金銭の貸し借りを介してむしろ相互依存関係が強化されてきたこと、また(2)上からの開発政策の推進に必要な民意の向上と国民統合のために、農村社会では初等教育の拡充とともに非識字教育の推進に力が入れられてきたこと、を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 黒柳晴夫: "21世紀の父親像"教育と医学. 48・9. 4-10 (2000)

  • [文献書誌] 黒柳晴夫: "インドネシアにおける初等教育とノンフォーマル・エデュケーション"愛知大学国際問題研究所紀要. 115. 1-28 (2001)

  • [文献書誌] 黒柳晴夫: "ジャワ農村社会におけるインフォーマルな預金・貸付信用組織をその活動"椙山女学園大学研究論集(社会科学篇). 32. 85-104 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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