研究概要 |
本研究は,社会福祉施設での現場実習中の事故を未然に防ぐための安全衛生教育プログラムを作成することを目的とした.そこで,13年度は,12年度の実績を基に以下のように研究を進めた. 1)心理的事故及びヒヤリ・ハット体験調査: 社会福祉援助技術現場実習を終了した大学4年生に対して,(1)実習中に遭遇した心理的事故(些細なことを含む)の内容(場面,時間帯等),(2)事故にはならなかったが心理的「ヒヤリ」「ハット」したことの内容-の実態調査を行った.従来のような(肉体的)事故及びヒヤリ・ハット体験に対して,何気ない一言,態度等(不適切なコミュニケーション)によって,相手の心を傷つけたり,自尊心を傷つけたりすることを心理的事故と名付けた.また,もう少しで心理的事故になりかけた体験(実際には事故にならなかった)を心理的ヒヤリ・ハット体験と名付けた.調査の結果,実習中に心理的事故を体験した学生は216人中101人(47%),心理的ヒヤリハット体験者は54人(25%)であった.また,心理的事故の加害者の内訳は,実習生本人(75%)》職員(19%)>利用者(6%)であり,被害者の内訳は,利用者(87%)》実習生(10%)>職員(2%)であった.一方,ヒヤリ・ハットの加害者の内訳は,実習生本人(70%)》職員(6%)>利用者(23%),被害者の内訳は,利用者(83%)》実習生(13%)>職員(2%)であった. 2)KYTシートの作成: 12年度調査結果の(肉体的)事故及びヒヤリ・ハット体験事例から代表的な場面を選んでKYTシートを作成した. 3)安全衛生教育プログラム: 12年度及び13年度の実績等から安全衛生教育プログラムを考案した. 福祉現場では,勤労者に加えて利用者の安全衛生を確保しなければならない.さらにサービスの質の確保・向上のためには,肉体的事故だけでなく心理的事故をなくすことが重要である.
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