本年度は、3年に及ぶ最終年度として次の作業を行った。 ひとつは、これまでイギリスの代表的な研究団体、高齢者の支援団体でもあるエイジ・コンサーン(Age Concern)、アルツハイマー病やその他の痴呆患者およびその家族のための慈善団体であるアルツハイマー病協会(Alzheimer Society)、スコットランドにおける痴呆症患者と介護者の生活全般にわたって支援しているアルツハイマー・スコットランド-アクション・オン・ディメンシア(Alzheimer Scotland-Action on Dementia)、民間の在宅介護事業者を代表する組織である英国在宅協会(United Kingdom Home Care Association)、介護者向けサービスを提供している在宅介護者のためのプリンセス・ロイヤル・トラスト(The Princess Royal Trust for Carer)などから収集してきた痴呆症患者のための介護技術に関する文献の整理と検討を行い、そのうちのいくつかを成果として公表したことである。 いまひとつは、イギリスの民間部門在宅介護労働力の特徴を明らかにしたことである。これは、イギリスの介護基準に関する2000年法が、イギリスの施設介護と在宅介護の双方で大きな影響を及ぼし始め、在宅介護労働者への職業訓練や職業資格を含む条件への関心をいやおうなく高めてきている状況と非営利民間在宅介護労働者の諸属性について検討することで、介護労働サービスをめぐる課題を検討したものである。 最後に、これらの作業のまとめとして報告書を作成した。
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