総合学習における、子どもと教師の共同参加による探究共同型カリキュラム開発として今年度の研究成果は次の二点である。 まず第一に、海外の文献に依拠した理論研究の成果としては、子どもの参加の権利という視点に着目した場合、共同学習は、子どもたちのみが共同すればよいというものではなく、教育活動の展開図式における、主題設定・探究活動の展開・事後の評価の各場面について、子どもと教師が共同して参加し決定することが求められるということである。このことは、理論的に学校教育における教育活動一般(教科・教科外を問わず)を想定しているが、我が国で考える場合、特に総合学習に理論的に応用できるということである。 第二に、探究共同カリキュラムの実質的成果は、教室外の地域や青少年教育施設などの有効活用を通じてもまた実質的に担保されうるということである。12年度は、国立岩手山青年の家の総合学習対応プログラム開発研究プロジェクトに協力しながら、活動展開の場面に即した共同探究型カリキュラムの模索として、学校外の青少年教育施設の有効利用、ならびに地域の場所的・人材的協力活用や各学問分野の専門家の協力活用の実践例を収集してきている。その結果、総合学習の共同探究型カリキュラムにとっても、学校外の物的資源・人的資源を。子どもたちとの共同探究活動にどのように活用するかという視点が副次的条件として必要となる。
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