本研究の3年目として、学校ソーシャルワークのカリキュラム開発における国内での調査研究をおこなった。6カ所の社会福祉系大学の実地踏査をふまえ、カリキュラムの実際や初年度からのカナダ・トロント大学ソーシャルワーク学部の関係資料を基に全体の骨格を完成させた。学校ソーシャルワークの知識・方法・価値の科学的分析と方法論について考察をおこなった。 また、本年度は「学校ソーシャルワークの実践的課題と教師教育」(教育実践研究紀要43号)として、現職教員研修に有用なプログラムづくりに着手した。学校におけるソーシャルワークの本質を明らかにするために、いくつかの研修会や学習会を福島県内の教員向けにおこない、その効果測定としつつ、学校におけるソーシャルワーク機能の独自性について研究をおこなった。その成果は「教育と福祉をつなぐ学校ソーシャルワーク」「学校における子ども家庭福祉の開発的方法と課題」(共に教育学部論集72号・73号)の論文で発表した。 本年度の終盤は、最終年度に向けて、教育カリキュラムと共に、指導技術演習等のプログラムやワークショップのための実際的マニュアル等の作成の準備として、福島大学大学院での講義・演習、および本学研修講座を活用して、実践記録の作成やその分析をおこなった。
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