研究課題/領域番号 |
12610239
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斎藤 佐和 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (00015819)
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研究分担者 |
佐藤 晋治 筑波大学, 心身障害学系, 助手 (90323237)
鷲尾 純一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80220854)
四日市 章 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (20230823)
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キーワード | 聾学校 / 難聴学級 / 通級指導教室 / 連携 / センター的機能 |
研究概要 |
文部科学省による「21世紀の特殊教育の在り方のついて」最終報告書に示されたように、特殊学校はこれまでの教育機能に加えて、今後は障害児教育に関わるセンター的機能を果たすことが求められている。本研究は、日本の障害児教育体制の大きな転換期において、聾学校が歴史的に蓄積してきた人的・物的教育資源の有効活用のためのシステム構築に資することを目的としている。本年度は2年目の研究として、主に、聾学校と緊密な関係をもつことが期待される全国の難聴特殊学級、難聴児を対象とする通級指導教室の担当者に対して、それらの教育環境の実際と聾学校との連携に関する調査研究を実施した。合計580学級・教室を対象とする郵送による悉皆調査で、314(54%)の回答があった。結果から、難聴学級等の教育環境は施設設備面や教員の資格・研修の面でも不十分な状態にあること、聾学校とは小学校では67%、中学校では55%が既に何らかの連携を行っているが、「児童生徒の指導に関わる相談」「教員研修」「就学・進路相談」「児童・生徒の交流」などをさらに充実させたいとする希望も多いことが分かった。一方連携を阻む要因として、時間・距離など物理的要因、聾学校に対する理解不足などのほか、教育行政上の壁も大きいこと分かり、聾学校の教育資源を有効に活用するには制度的改善も必要であることが示唆された。 最終年度は、今回の結果をフィードバックして聾学校側の調査も実施し、聾学校が日本の聴覚障害児教育の全体構造のなかで、今後どのようなセンター的機能を果たしていくべきか、望ましいシステムの在り方について検討を深めたい。
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