研究課題/領域番号 |
12610240
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
篠原 吉徳 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (10150054)
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研究分担者 |
東原 文子 聖徳大学, 人文学部, 講師 (60272150)
前川 久男 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (50165635)
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キーワード | 個別教育計画 / 教科学習 / 算数 / 学習の困難 |
研究概要 |
学校現場(公立小学校)は制約が大きい。学校側は一旦研究協力を表明しておきながら、研究を開始する段になり、授業場面のビデオテープ収録が拒否されることも再三再四あった。これは、筆者の事前の説明が不足していたことにも因るが、小学校があくまでも教育機関であり、大学等の附属実験学校ではないことに基づくものであり、当初より十分に予想されたところであたった。個別教育計画の書式を作成し、それを教員に提示しても、彼らは一応の理解をしたことを表しはするが、個別教育計画に沿って指導を行うことについては、「学習指導要領」の範囲を超える(もしくは準拠しない)ことも手伝って、教員は明白に難色を示す。このことに鑑みて、現在、個別教育計画の書式を再検討し、近々再提案する予定でいる。個別教育計画というが、学校での活用が追求されており、集団場面への導入を前提にした個別教育計画の書式も検討された。 「学習指導要領」に準拠することを大原則にするが、教科学習に困難を示す子どもの場合、その困難の性質からは、単純に適用することを許さない状況がある。個別教育計画の活用を保障する教育システムを追究する傍ら、教科学習、殊に算数に困難を示す子どもの教育課程の編成についても、考究することが重要である。これらについては、折に触れ、考えを述べてきたが、具体的に事例研究を基に、最終年度に提言するつもりでいる。 研究を推し進めていくうちに、教科学習に困難を示す子どものなかに、多動な子どもが含まれることに気づき、「多動性」にも目を向け、さらにその「学習」への影響を明らかにすることの必要性が認識された。したがって、「多動性」にかかわるデータの収集が検討されて、現在、試み的に「多動性」のデータの収集に着手した。
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