研究課題/領域番号 |
12610242
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鷲尾 純一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80220854)
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研究分担者 |
西澤 弘行 常磐大学, 人間科学部, 講師 (50296068)
廣田 栄子 国際医療福祉大学, 言語聴覚障害学科, 教授 (30275789)
斎藤 佐和 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (00015819)
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キーワード | 重度難聴児 / コミュニケーション機能 / 初期言語発達 / 聴覚活用 / 人工内耳 / 韻律知覚 |
研究概要 |
本研究の目的は、重度難聴児に対して母子コミュニケーションを重視した指導を行うことにより、前言語期からの初期言語の段階において、コミュニケーション機能と音声形式(発音や抑揚など)の発達について、その様態を明らかにすることである。さらに乳幼児期からの聴覚活用によってアクセントおよびイントネーションなどの韻律知覚がどのような発達を示すかを明らかにすることである。今年度の主な研究結果は以下の通りである。 1)人工内耳を装着した重度難聴児のコミュニケーション場面のビデオ収集とコミュニケーション機能の分析 初期言語段階から定期的にビデオ収集してきた重度難聴児が人工内耳の手術を行い、その後のコミュニケーション場面と音声言語表出の変化の詳細を書記言語化した。また、すでに作成したカテゴリ分類を適用してコミュニケーション機能の分析を引き続き行った。 2)難聴児の韻律知覚能力の聴能学的評価 先に開発した韻律評価検査を難聴学級に在籍する難聴児に適用し、以下の結果が得られた。 (1)韻律知覚と聴力レベルの関係については、70dB以下の聴覚障害を有している場合、アクセントとイントネーションの知覚においては高い成績が得られたが、91dB以上の場合にはかなりの困難が示された。 (2)韻律知覚と音韻知覚との関係については、語音明瞭度が80%以上であれば、アクセントとイントネーションの知覚においてもほとんど支障がなく、語音明瞭度が20%以下であれば、かなり困難であることが示された。
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