研究概要 |
外国人子女の学校適応について,関東地区(群馬県)および東海地区(愛知県・静岡県)の小・中・養護学校において担任教師,日本語教育指導教師,管理職者,教育委員会関係者および児童生徒本人を対象に,学習面・生活面等の問題を中心に面接調査を行った。 1. 担任教師,日本語教育指導教師からは外国人子女の日本語教育の指導方法・指導体制,通常学級との連携の問題,保護者の教育観や家庭環境の問題などが示唆された。 2. 管理職者,教育委員会関係者からは,学校の特別な指導体制,学力保障と進路確保の問題,また地域社会の外国人への支援のあり方が提起された。そこでは,地域支援と学校の具体的な取り組みの現状には地区及び地域ごとに差異がみられた。 3. 児童生徒からは,日本語・教科学習の修得,人間関係の構築,進学就職の困難に関する問題が提示された。中には自主的に当該者のおかれた状況を社会に理解啓発する目的で新聞を発行する活動を行う事例もあった。 4. 外国人子女のうち障害のある児童生徒への特別な支援について,養護学校・特殊学級での指導現状と問題を分析した。そこでは,外国人子女教育と障害児教育には,特別な教育的ニーズへの教育的対応の点で共通点が多いことが認識された。 今年度は予定した保護者との面接が実施できなかったが,来年度はそれを含めて地区・対象ごとに質問紙による調査を実施すること,さらに学校での適応困難を克服し異文化理解を促進する試みを考案したい。
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