平成12年度は、大学の地域交流の実態と意識を教員個人レベルで探るために、アンケート調査を実施した。調査対象は、日本海側に立地する国立10大学(弘前、秋田、富山、富山医科薬科大、金沢、福井、福井医科、鳥取大、島根大、島根医科大)、公立4大学(秋田県立、富山県立、金沢美術工芸大、福井県立)、そして私立6大学(秋田経済法科大、東北芸術工科大、富山国際大、金沢経済大、金沢学院大、北陸大)に勤務する講師以上の教員である。調査は平成12年9実施。二分の一抽出法で回収数885名、回収率44%であった。 アンケート調査により、大学と行政機関の関連について明らかになった点は三点である。 (1) 過去一年間に県内にある行政機関からの要請に協力した経験のある教員は、市町村については公立大学が45.1%で最も高く、次いで私立の43.6%、国立が34.4%で最も低い。県・国については、公立大学の51.6%で最も高く、次いで私立の43.6%、国立が38.6%の順になる。また、国立大学教員は行政機関から要請協力のなかったものが50%になる。 (2) 行政機関からの要請ルートを個人と組織に区分すると国立大学では個人ルートの割合が70%にもなる。さらに、個人ルートほど要請期間が長くなる傾向にある。 (3) 今後、市町村や県・国などからの協力要請への対応については国立大学の6割の教員が「内容に応じて」と慎重に回答しているが、3割は「積極的に応じたい」と回答しており、公立や私立よりも潜在的には交流意欲はあるといえる。
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