研究概要 |
平成13年度は、国立大学と地域社会の連携の実態と交流障害を明らかにするために、行政機関を対象とするアンケトート調査を実施した。調査票は、平成13年10月に日本海地域にある青森・秋田・山形・富山、石川、福井、鳥取、島根の8つの自治体を対象に1,500課(県及び市町村の教育委員会、商工労働部、企画調整部など関係課)に配布し、有効回答数885課(回収率59%)を回収した。 主な結果は、以下の通りである。 (1)日常的に国立大学の教員に相談によくのってもらう課は全体の6%にすぎず、70%近くが日常的な交流はないとしている。 (2)大学教員への連携のルートは県などに照会するが34%、個人的に依頼するが33%となり、大学の窓口で紹介してもらうは4%にすぎない。 (3)地元国立大学への施設の利用については90%以上が利用していない。 (4)地元国立大学への将来のあり方として、地域住民の教養の向上、地域文化の振興、地域の教育機関の活性化、地域の国際交流、企業や産業界への貢献を70%を越える課が「もっと貢献すべき」だとしている。 (5)交流障害については、もっとも割合の多い理由をあげると、大学側にある障害としては、「教員スタッフ・教員の研究分野が周知されていない」が30%、県の側にある障害として「地域の側に交流のビジョンがない」が50%にものぼる。国に対しては「開かれた大学としての啓発や普及が大学に対して十分行われていない」と「地域間格差の是正が不十分」がそれぞれ30%となっている。
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