平成12〜13年度に実施した三重県小・中学校教師に関する調査結果は、つぎの通りである。 1.初年度に試みた質問紙調査から回収されたサンプルのうち、県内北勢、中勢、伊賀上野および南勢の各々の地域性に配慮して、次年度には面接調査(観察も含む)を試みた。その結果、全体として、教師たちは学級内の生徒との関係ばかりでなく、保護者を含む地域社会との関係に苦慮する教師の姿が浮き彫りとなった。 2.都市部を含む北勢地区の学校では、学校・学級の規模は比較的増大の傾向にあるが、全般に少子化の影響を受けて、とくに南勢地区をはじめ中勢地区においても、学級規模の縮減や統廃合の学校などが目立った。 3.教師の学級社会への営為も、「きめゆきさん」(教育現場でのきめ細かな指導のために、行政が助成する少人数加配教員)に象徴されるように、専科.T.T.複式学級の指導など、新たな課題を抱えていることが把握された。 4.学級社会の危機ばかりでなく、教師自身の生活世界における危機感をみると、性別では、男性よりも女性教師が、校種別では、中学校教師が小学校教師よりも高い頻度で危機と受けとめていることがわかった。
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