本研究は、研究代表者による数年来の映像解析に関する基礎研究、調査・収録実績をふまえ、地域に根を下ろし広く実施されている運動会に焦点を絞り、その意義、役割を映像特性を生かした新視座により究明し、文書および歴史的な経過を含めた包括的な考察を行い、文書からは得られない諸情報を解析することをねらいとしている。 この主旨に則し、平成12年度および平成13年度の2年間にわたり、実施する継続研究の初年度として、以下の4項目にわたる取り組みを行った。なお、本研究で使用する収録・編集用機材は、大部分、現有の機器をもって充て、必要最小限の機器に限り補充するにとどめた結果、配分経費の大部分を実質的な調査活動に振り向けることができた。 1 関連文献資料(文学作品、沿革史、プログラム)、既存フィルム等の調査(文芸映画作品、記録映画作品、写真)の調査と収集 2 これまでの研究実績と収録手法(3カメラ・フル稼働方式)を生かして、平成12年度には、全国3地区の収録を予定したが、一部降雨による中止に見舞われ、2地区(うち1地区は午前のみ)となった。 3 収録した素材を視聴、解析し、運動会の性格、プログラムの構成・内容、参加者の表情と動き、応援席の様子、招待者の区分と顔ぶれ、地域環境との関連などの視座から、映像分析の枠組みを設定した。 4 本研究室に常備の追記型ビデオディスク検索システムを用いて、本研究の目的に照らし大量の「静止画・動画の併用検索」を可能ならしめる技法を開発、実用化した。
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