研究概要 |
本研究は、学校指導者の養成・研修カリキュラムの開発と運営を、大学院と、教育センター、学校などの現場とが協働して行う体制・システムを構築するための課題・条件と方策を、わが国と、学校指導者養成が制度化されているアメリカにおける調査を通じて導き出そうとするものであった。 そのために、わが国において、学校指導者の養成・研修の連携・協力体制に関する関係者の意識調査を質問紙とインタビューによって実施した。また、アメリカについては、1990年代以降導入されている、有効性が高いとされる「新しい」(promising, innovative, or exceptional)学校指導者養成プログラムの事例調査を実施した。 研究成果報告書には、わが国の質問紙調査の結果(第一部)と、アメリカの事例調査のうち3プログラム(第二部)についてまとめた。またアメリカのプログラム事例の原資料も付録として掲載した(第三部)。 自主的・自律的な学校経営の推進と専門職大学院制度の創設等を契機に、学校指導者を大学院において計画的に養成するための構想が作成されつつある。我々もすでに、本科研調査の結果などを参考にそうした構想を提示した(兵庫教育大学スクールリーダー研究会(代表・加治佐哲也)『学校指導者養成と専門大学院構想に関する調査報告書』2002年3月)。今後は、さらに、本科研の成果を参考に大学院における学校指導者の養成構想をより現実的なものにしてゆきたいと考えている。
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