研究概要 |
1.各州におけるスクールカウンセラー(ガイダンスカウンセラー)の現行免許規定,博士論文,教師教育関係図書,私が収集していない新たに見いだされた参考論文の収集を行い,整理した。 2.今年度は実証的研究内容として,とくに1950年代-60年代に焦点をあてた。カウンセラー養成コースが全国的に拡充された時期であることを知り得た。免許資格としての養成内容,免許状の更新制と上進制の対応について分析した。スクールカウンセラーの資格要件が上昇しつつあり,しかも教師の職務経験を要求することがわかった。この時期において優秀な人材を養成することが求められた。スクールカウンセラーの資格はハイスクールのみならず,今日初等学校でも配置する州が多い。 3.教員経験がスクールカウンセラーとしての職務自体に有意義であるという事実の他に,上進制を要求するスクールカウンセラーの存在は一般教員の研修意欲を高める上でも少なからず影響を及ぼした。資格構造の州間比較しつつ,体系化してみることが課題として求められる。 4.わが国における臨床心理士等の資格との検討をふまえつつ,日米のスクールカウンセラーの資格のあり方,学校での役割についてさらに探究する必要が生じた。州要件に基づく大学での養成カリキュラム,現職教育の内容等について事例的考察を行うことが残されている。また分析結果については各州の教育当局に補足説明を依頼し,実証的研究を深化させることにしたい。
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