前年度に実施した、(1)都道府県・指定都市教育委員会、(2)都道府県・指定都市教育センター、(3)市教育委員会を対象とした学校の生徒指導・教育相談を支援するスクール・サポート体制に関する調査の結果を、平成5年度及び平成7年度に実施した同一対象の調査結果と比較検討し、文部科学省の施策動向を踏まえて、その傾向を明らかにした。さらに、都道府県教委と市教委の関連性を分析し、各都道府県教委、市教委ごとに施策の特色を明らかにした。 この結果をもとに、中学校を対象とする調査質問紙を作成し、(3)の調査で回答のあった429市教育委員会が設置する中学校を2校ずつ抽出し(うち13市教委については設置校数が1校であった)、合計845校に対して質問紙を郵送し回答を求めた。有効回答は365校(回収率43.2%)であった。 中学校の生徒指導・教育相談上の諸問題の実態として、不登校生徒数は増加傾向にあり、適応指導教室で指導を受けている生徒数も増加してこと、反社会的問題行動としては、茶髪、喫煙、携帯電話、いじめ、ピアス、万引きの順に起こっているが、学外の機関の援助をあまり必要としていないことが明らかになった。都道府県と市教委のスクール・サポートに対して、8割以上の中学校が、教員加配、教育相談員の増員、適応指導教室の設置を強く望んでいる。このほか、「暴力行為に対するサポート(生徒指導員など生徒指導担当者の加配)」と「家庭問題に対するサポート(家庭問題相談室・電話の設置、学校ソーシャルワーカーの配置)」を望んでいる中学校が多かった。
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