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2001 年度 実績報告書

教育における住民自治と到達度評価-奥丹後の地域教育運動の研究-

研究課題

研究課題/領域番号 12610282
研究機関作新学院大学

研究代表者

小林 千枝子  作新学院大学, 経営学部, 教授 (10170333)

キーワード教育の住民自治 / 到達度評価 / 地域教育運動 / 学校づくり / 教育評価
研究概要

平成13年度には、主には研究報告書作成に向けて、昨年度に収集した資料の分析と補充調査を行なった。奥丹後の地域教育運動および到達度評価実践において、川上小学校と峰山中学校の教育実践がよく知られており、他校への影響力も大きかった。そこで、教育実践の詳細な分析はこの二校に限った。その一方で、実践の社会史的背景を探るために、京都府の到達度評価実践の全体像や特質、奥丹後地域の人口動態や産業構造の変遷、高等学校進学率の推移などもとらえた。峰山中については、育友会(PTA)関係の資料も豊富に収集できた。とくに育友会誌『やまびこ』を1960年代後半から80年代前半まで通してみることができ、これによって父母の教育要求の変化をとらえることができたのは有益だった。また、学校教師の協力のもと育友会員や地域の人々によって組織された民主教育の会や環境浄化の会の動きについても把握することができた。
本研究は、奥丹後地域を研究フィールドにして、教育における住民自治と地域教育運動や到達度評価実践との内的連関を明らかにすることであった。全12章に及んだ研究報告書作成を通して明瞭にみえてきたことは、1960年代の高度経済成長を経る過程で地域社会の人間形成機能が大きく衰退し、そのことの影響が子どもの心と身体の変化として、ときには学校の「荒れ」として現われ、学校教育が地域社会の協力をえないと立ち行かない状況になっていたということである。奥丹後では、教材を地域社会に求めるだけでなく、父母に授業公開をしたり、教師と父母がともに教育研究集会をもったりなどしており、それが地域教育運動であり、また到達度評価実践でもあった。教育における住民自治は教師たちが地域に目を開き、地域の人々とともに教育をつくり、かつ地域の人間形成機能を高める活動を展開するなかで成立したのである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 小林千枝子: "京都府奥丹後・峰山中学校における到達度評価実践の展開 -生徒集団による学習目標づくりと教えあいの組織化-"人間発達研究. 第24号. 1-11 (2001)

  • [文献書誌] 小林千枝子: "奥丹後の地域教育運動をめぐる人物群像(1) -渋谷忠男と川戸利一-"教科外教育と到達度評価. 第4号. 28-41 (2001)

  • [文献書誌] 小林千枝子: "習熟概念をめぐる論点と課題-中内敏夫の習熟論の検討を通して-"教育目標・評価学会紀要. 第11号. 37-47 (2001)

  • [文献書誌] 天野正輝, 遠藤光男, 河原尚武, 小林千枝子, 田中耕治, 鉾山康弘, 山根俊喜, 大津悦夫, 柏木正, 平岡さつき: "到達度評価の理論と実践"昭和堂. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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