研究課題
基盤研究(C)
「ヨーロッパ中世と近代における子育て習俗に関する歴史人類学的研究」は、ヨーロッパの中世と近代における子育ての習俗の変貌過程をあきらかにすることを第1のねらいとした。また、方法論的には、子育ての習俗に関する資料に焦点を当て、子育ての習俗そのものの持つ発達論的な意味を解明することによって、従来の教育史や政治経済的な一般史において近代合理主義の観点から解釈される意味づけの文脈とは違った意味の水脈が存在することを歴史人類学的に考察する有効性を確認することを第2のねらいとした。この時期における、子どもの妊娠・出産、離乳期、歩行期、幼児期、少年少女期、思春期、青年期など、人間のライフ・サイクルの諸段階で、親や大人世代による「世話」「養育」「しつけ」「形成」などの営みが習俗としてどのように移り変わってきたのか、とりわけ近代を境として、どのように意味変化してきたのかをあきらかにした。とくに、近代においてなされた、伝統的なスウォッドリング習俗や乳母養育習俗に対してルソーがおこなった批判は、近代以降の新しい子ども観をひらく契機になったが、同時にまたそれは、子どもを囲い込む別のイデオロギーを生みだすことになったことを歴史人類学の観点から再検討した。
すべて 2001
すべて 雑誌論文 (6件)
キリスト教文化研究センター研究叢書(青山学院大学総合研究所) 第9号
ページ: 21-44
家族本・40(山田昌弘編)(平凡社,2001.4) (所収)
ページ: 26-38
ページ: 45-56
Christianity and Culture Research Center (Research Institute of Aoyama Gakuin University) No.9
The Books on Family (Yamada Masahiro, ed.) (Heibon-sha) 40