研究課題/領域番号 |
12610289
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
阿部 珠理 立教大学, 社会学部, 教授 (50184213)
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研究分担者 |
佐々木 由美 慶應義塾大学, 経済学部, 講師 (60298073)
根橋 玲子 東海大学, 文学部, 講師 (70298074)
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キーワード | 異文化教育 / 多文化教育 / 異文化間コミュニケーション / 教授法 / 教材開発 |
研究概要 |
本年度は、昨年度日本の大学において「異文化」および「異文化間コミュニケーション」関連の授業を担当する教員に対しておこなった実態調査の分析を中心に研究を進めた。この調査の趣旨は、(1)現在日本の大学で「異文化」および「異文化間コミュニケーション」関連科目がどのくらい設置されているのか、またどのような形態で展開されているのかという概要を掴むこと、(2)担当教員たちがどのような授業を実践しているのか等、現状を把握することを目的とする。分析の結果、以下の事柄が明らかになった。1.クラス規模は50人以下が多い。2.科目の設置されている学部学科は文・人文学部が最も多く、ついで外国語学部、教育学部、経済・経営学部の順である。3.多くの授業が、設置されている学部学科の学生を対象に、専門科目かつ選択科目として用意されている。4.多くの担当教員は「異文化間コミュニケーション」を「外国人とのコミュニケーション」と捉える傾向がある。5.授業内容としては「異文化接触」「異文化適応」を取り上げている教員が多い。このため、授業の理論的背景としても「異文化接触の理論(不安・不確実性調整理論、異文化適応理論、民族集団関係理論など)」をもとにしている教員が多い。6.授業形態としては「講義」形式と他の方法(ディスカッション・視聴覚教材の使用)と組み合わせた授業が多い。7.市販のテキストを使用している教員が多く、テキストの他にハンドアウトやビデオを用いている。しかし、インターネットを含めたコンピューターの使用は少ない傾向がみられた。これは授業規模に関係があるものと思われる。8.担当教員の多くは異文化教育の必要性を感じており、高校教育の段階から特に重要と考えている。上記で明らかになった結果を考察し、今後どのように異文化教育を展開していくのか、問題点・改善点・教授法などと併せて最終的な提言を試みる。
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