(1)ドイツの「学校共同体的・参加型」学校法制とオランダの「教育の自由・選択型」学校法制の構造分析 前々年度、前年度に引き続いて標記の法制研究を行った。すなわち、ドイツとオランダの学校法制について、いうところの「学校の自律性と自己責任」とかかわって、以下のようなメルクマールを摘出し、その法的構造を明らかにした。(1)地方教育行政当局の学校管理・監督権、(2)ナショナル・レベルの教育課程基準と各学校の教育課程編成権との関係、(3)教科書検定制度と教科書・補助教材の採択制度、(4)校長の法的地位と権限、(5)学校の人事上の権限(校長・教員の選任権)、(6)学校財政システムと学校の財政自律権、(7)教員・親・生徒・地域住民の教育行政や学校経営への参加制度、(8)学校のアカウンタビリティーと学校評価、(9)学校教育における選択の自由。 (2)学校管理規則の収集と分析 「地方分権一括法」(平成12年4月1日施行)の制定をうけて、全国の地方自治体において「学校管理規則」の見直し作業が進められたが、これまでに改正された学校管理規則を収集し(対象・すべての都道府県教育委員会と50市教育委員会)、教育委員会の学校管理権について、「学校の自律性と自己責任」の観点から法制分析した。 (3)報告書の作成 過去2年間における研究および上記本年度の研究について、その成果をまとめるべく、現在、報告書を作成中である。
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