研究課題/領域番号 |
12610315
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研究機関 | 愛国学園大学 |
研究代表者 |
高橋 美和 愛国学園大学, 人間文化学部, 講師 (40306478)
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研究分担者 |
岡田 知子 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70292993)
上田 広美 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (60292992)
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キーワード | カンボジア / ジェンダー / 文化人類学 / 文学 / 言語学 / 女性 / 家族 / 表象 |
研究概要 |
本研究は、現代カンボジアにおけるジェンダーについて、社会関係の実践面、政策面、文化表象面からそれぞれアプローチするという手法をとる、学際的研究である。 今年度、研究代表者はカンボジアでの現地調査を実施し、過去に全戸調査をしたことのある一農村において家族・親族に関するデータをさらに収集した。主な着目点は(1)女性世帯主世帯(男性配偶者を何らかの理由で欠いており、女性が世帯の主たる稼ぎ手となっている世帯)の生計戦略において、いかにジェンダー関係や親族ネットワークが活用されているか(2)名づけ-親が子どもに「名字」をつけるという行為に、ジェンダーからみた場合、どのような特徴があるかの2点であった。(1)に関しては、社会福祉政策を欠く現代カンボジアにおける貧困層の実態の一端をジェンダーという視点を通して把握することができた。農業労働・現金収入獲得におけるジェンダー分業のあり方と女性世帯主の生計戦略が密接に関連することがある程度実証できた。(2)は分析対象の時間的・地理的限界はあるが、カンボジアにおける名づけの特異性とジェンダーとの関係について若干の傾向をつかむことができた。これらの調査の報告は現時点では未発表であるため、成果報告書で発表する。 研究分担者(上田)は、カンボジアにおけるジェンダー政策の一端をよく表す資料を発見し、その論旨とテクストの語彙とに関する言語学的分析を行っている。この研究はまだ明確な結論が出せていないため、成果報告書には資料紹介として抄訳を載せる予定である。 もう一人の研究分担者(岡田)は、民主カンプチア時代の「革命的女性像」に見るジェンダーについて、当時の様々なテクスト・画像資料など様々な資料分析を通して考察を深めた。昨年度学術雑誌にて発表したこの主題をさらに発展させた成果を成果報告書に盛り込む予定である。
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