平成14年度は、昨年度に引き続き、夏休みに3週間の現地調査を行った。インドネシア、西スマトラ州パダン市にあるLBH(法律援助協会)というNGOの協力を仰いで、西スマトラ州内の共有地問題で係争中の3箇所(ムンゴ、ケパラ・ヒララン、ブキット・ゴンポン)について、現地に赴き、聞き取り調査を行い、また、関連資料の収集を図った。ムンゴでは係争中の裁判の傍聴を行った。 現地調査の直前に、バリ島、ウダヤナ大学で行われたANTROPOLOGI INDONRSIA主催の国際シンポジウムの「土地問題と開発」という分科会で昨年度までの研究結果について発表を行った。4日間にわたって行われたシンポジウムでは、分科会参加者と同じホテルで起居を共にし、インドネシア人研究者のみならず、オランダ人、オーストラリア人、アメリカ人研究者らとも親交を深めた。 さらに、このときの発表を元にしながら、夏休み調査の成果を付け加えて、法政大学国際文化学部の紀要にこれまでの研究成果を発表した。 また、ポスト・コロニアリズム研究の理論的な研究にも力を入れ、法政大学比較経済研究所のプロジェクト「植民地主義の再検討」を今年度も主催し、インドネシアの事例を他の事例と比較し、より抽象度の高い研究になるよう努めた。
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