上ノ国町宮の次川右岸出土のイクパスイは、1640年に降灰した駒ケ岳の火山灰下層から出土したものであり、アイヌ期(中世)には印の刻みこまれたものが使用されていたことが確実である。また、同じくこの遺跡から出土したカンジキの断片は、アイヌ民族が使用するひょうたん形単輪型であることが判明した。さらに、札幌市k32遺跡から出土した(10世紀以前)カンジキ(単輪型)と比較すると、両者ともサキリ(借棒)を使用していることからカンジキの発達過程を考慮する上できわめて関連深いものを考えられる。 これら出土資料と勝山館出土資料から、館を中心とする地域には、和人とアイヌ民族が同居していた可能性が高いものと考えられる。
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