譜代大名の城下町として発展した常州土浦(茨城県土浦市)は水戸街道の宿駅として、また霞ヶ浦水運の利便によって周辺村落の商品流通の要として栄えた。江戸近郊の典型的な地方城下町である。この研究では、近世の城下町土浦について都市の形成過程とその社会構造の特質を明らかにし、地域文化の様相を考察する。本研究では色川三中、長島尉信の日記や、内田家、石塚家、太田家、菅谷家、内田家、尾形家など土浦で活躍した各家の資料によって近世城下町土浦の都市形成過程とその社会構造の特質を明らかにした。これらの資料群から断片的情報を抽出して詳細な「土浦関係歴史年表」を作成した。城郭や屋敷地の変化、城郭や屋敷地の変化、道路や橋、洪水や火災などの変災の記録、町方の商業活動での変化等々、近世土浦の都市形成と城下町に住む人々の生活の様相をきわめて具体性をもって明確になしうると考えたからである。
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