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2003 年度 実績報告書

幕藩領主の思想史的研究-近世前期を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 12610329
研究機関一橋大学

研究代表者

若尾 政希  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (80210855)

キーワード幕藩領主 / 明君 / 太平記読み / 軍書 / 出版 / 政道書 / 天文学 / 暦学
研究概要

本研究の取りまとめの年にあたり、前年度に引き続き、(1)各地に史料調査に出かけ、幕藩領主の意識・思想を読みとり得る史料として、(1)幕藩領主自身の編著作類、(2)幕藩領主が遺したという由緒をもつ大名家訓類、(3)幕藩領主の言動を側近・近習らが書き記した言行録、(4)幕藩領主を後世「明君」として美化しその言動を書き記す明君言行録、を調査・収集してきた。併せて、(2)幕藩領主の旧蔵書の調査、及び蔵書目録の調査も精力的に行ってきた。
その結果、(3)収書傾向を見ると、個々の幕藩領主の蔵書には一定の個性が認められるが、軍書(軍学書・軍記物)や政道書等の書物は、すべての幕藩領主が共通して持っていることがわかった。この事実を踏まえて、軍書が日本近世という時代においていかに大きな歴史的役割を果たしたのか考察し、「目本近世における軍書の歴史的位置」という論考を執筆した。
また、(4)上は将軍から下は民衆まで同一の書物(軍書及び天文学・暦学書)を読んでいるという事実に着目して、吉宗が将軍として君臨した時代の社会と文化について考察し、「享保〜天明期の社会と文化」という論考を執筆した。
本研究の成果を踏まえて、(5)カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で行われた国際シンポジウムで、「近世人の思想形成と書物--政治常識・コスモロジー・世界観」という報告を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 若尾 政希: "近世人の思想形成と書物-近世の政治常識と書物"一橋大学研究年報 社会学研究. 42. 111-173 (2004)

  • [文献書誌] 若尾 政希: "享保〜天明期の社会と文化"日本の時代史(吉川弘文館). 16. 278-325 (2003)

  • [文献書誌] 若尾 政希: "日本近世における軍書の歴史的位置"軍記と語り物. 39. 24-34 (2003)

  • [文献書誌] 若尾 政希: "安藤昌益からみえる日本近世"東京大学出版会. 430 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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