本年度は3年間の総括年度として、これまでに新たに発見した古文書の整理作業を完了させ、その目録の作成、ならびに全文翻刻を完了させることをめざした。これにより、今次の科研によって新たに発見された文書群のうち、以下の3つの文書群について上記の目的を達成した。その内容はおおむね次の通りである。 (1)武山六右衛門家文書(宮城県石巻市門脇地区・旧「石巻穀船」廻船主) 武山家の子孫にあたる本間英一氏(石巻市門脇在住)の所蔵になる未調査古文書史料約500点につき、全ての史料の複写コピー、ならびに翻刻を完了した。 (2)丹野六右衛門家文書(宮城県塩竈市宮町・旧五十集問屋) 丹野家の子孫にあたる丹野和雄氏(塩竈市宮町在住)の所蔵になる古文書史料約100点につき、既出分については誤字訂正をおこない、さらに未調査史料を加えた全史料の複写コピー、ならびに翻刻を完了した。 (3)阿部源左衛門家文書(宮城県雄勝町大須浜・旧廻船主) 阿部家の子孫にあたる阿部栄次氏(雄勝町大須浜在住)の所蔵になる古文書史料約300点につき、全史料のデジタル写真撮影ならびに目録作成を完了した。また当該史料の目録は、東北学院大学東北文化研究所紀要に掲載刊行した。
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