研究課題/領域番号 |
12610344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
蔵持 重裕 立教大学, 文学部, 教授 (70153369)
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研究分担者 |
小林 一岳 明星大学, 人文学部, 助教授 (20298061)
藤木 久志 帝京大学, 文学部, 教授 (60062585)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 中世の村 / 水利 / 惣墓 / 名衆中 / 宮座 / 寺座 / 溜池 / 五輪塔 |
研究概要 |
本調査は、葛城・和泉の山地から平野部にかけて、黍谷川と蕎原川が近木川として合流し浸食した谷における人々の生活と、その結合の仕方を解明するに有意義な成果をもたらした。それは大きく3つ分野に及ぶ。1古文書の調査・発見、2村座・宮座と水利の調査、3惣墓の調査であった。 1では「水間寺所蔵文書」・「観音院文書」・「西村家文書」・大阪市立博物館所蔵「鬼洞文庫」・「妙順寺(南家文書)、森の「稲荷神社文書」等が調査できた。ここでのキーワードは「名衆中」で、木島が5ケ村で上・下荘に分かれているにもかかわらず、これを連結させる意義を持った。 2では、「木島井」と溜池、それぞれの水路を復元した。水利範囲ほぼ全貌が明らかになった。木島地域の農業や生活を知る上での基礎的な資料となる。(2)水間の寺座・座中組織の聞き取りを行った。それに伴い旧町屋の屋号・組の復元を聞き取りした。三ツ松に大村座・稲荷座・林座があり、大村座は現在でも活動をしている。しかし、これらの座は宮座としての活動は希薄で、現在は親睦団体という性格になっている。こうした点水間の寺座・座中とはかなり性格が違う。今後、中世史料に確認できる「大村」等との関係、座が村を越えて存在している等、座と村の異動が課題となる。 3水間惣墓の中世石造物の調査では、(1)水間井手剛家墓地、(2)三ツ松の無縁石造群の中世から近世初期と思われるものを集中的に調査した。その結果、(1)は179個、(2)は556個確認できた。在銘のものは42個で、永正から寛文に及んだ。 研究会の中では、「かりそめのひとりごと」中の、天文七年とされる森の稲荷神社の「初午神事」等の検討が進んだ。難解であったが、木島上・下荘をあげて、地頭や神主も関わる神事で、木島庄の中世と地域結合を知る上で重要な問題であることが確認された。
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