日本中世の武家全国政権である鎌倉幕府の中枢を担った北条氏の経済構造を分析するために畿内近国地域の金沢北条氏の所領及びその地域の人々や僧と鎌倉との交流を中心に検討を行った。具体的成果は、下記のとおりである。 (1)金沢北条氏の所領(含む、称名寺領)は、将軍家土器供出の楠葉牧、称名寺雑掌用途供出の千土師郷など機能分化していること。 (2)鎌倉在住の御家人の頭目安達泰盛の菩提寺松谷寺は、東大寺の東国進出の拠点の様相をもてていたこと。 (3)建武政権期北条氏所領の闕所化と菩提寺の寺領復興の資料を名古屋大須真福寺において発見した
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