本年度(2001年度)は、収集史料、文献、現地調査をもとに、いくつかの成果をまとめた。また、来年度に向けての文献整理や執筆準備をしている。 史料や文献は、女性史、家族史、婚姻史などをはじめ、天皇制、皇族関係、国外の王政に関するものなどを集めた。また、国内、国外で放映された天皇制や王政に関するビデオなども収集した。 本年度の成果としては、女官については『ミカドと女官』(恒文社21)をまとめ、近代における女官制度と女官たちの生活について論述した。また、『雅子妃とミカドの世界』(小学館)をまとめ、現代における皇室と女性のあり方について整理した。 来年度は、『皇室を支えた女性たち』(仮題)、『家宝の行方』(仮題)、『昭和天皇とその家族たち』(仮題)を執筆する予定であり、その史料文献収集と、現地調査を行う計画である。 また、王政や家族制度の国際比較のため、中国、韓国、ロシアなど旧王政はじめ、現在存在する世界の王室についての情報を整理中である。そして、王家のみならず、貴族制度や、一般国民の家族形態および婚姻関係などを分析検討し、日本の天皇制と女性との関係についてさらなる考察をくわえる予定である。 なお、来年度は「王政と戦争と女性」という新しいテーマを設定し、その理論的考察を深めたいと思っている。
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