研究概要 |
日本仏教史におけるジェンダー研究の基礎研究として.本年度はワンダーランドとして.備後山南光照寺文書(広島県沼隅町)ならびに.豊後大分尊想寺(大分市)の所蔵史料の調査,分析を行った.調査方法としての特色はデジタルカメラ.およびP.Cを利用し数多い史料から女性と仏教関連(とした「坊守」)の史料を抽出するという手間のかかる作業.特に費用面の軽減がはかられ.今後,特定のテーマに関しての史料調査を.当初から調査時に限定しなければならない問題点を克服しデジタル画像に取り込んだ後に.研究室で判断するという利点を獲得した.この点は,技術系高専において理科系研究者の支援を受けたことが大きいといえ.今後に,学際化の実際的なあり方として特筆する必要があると考える。現在のところ入手したデータの処理を中心に共同研究をすすめているが.倡学・仏教学・歴史学という関連領域から仏教におけるジェンダー分析に接近している意味は大きい。初年度は当面に史料調査が主であったが.次年度は収集史料と税収的に活用した研究に資することができると考えている。また,研究代表者である松尾一(ペンネーム遠藤一)は真宗派近畿連区「坊守会」において記念講理の機会を与えられ.坊守問題の資料の提供と明石書店より仏教とジェンダーを出版する成果に恵まれ.産・学・民連接の一歩ともなったことを
|