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2003 年度 実績報告書

ローマ元首政期の皇帝とイタリア地方都市

研究課題

研究課題/領域番号 12610383
研究機関広島大学

研究代表者

岩井 経男  広島大学, 文学研究科, 教授 (10113771)

キーワード都市 / 地方 / イタリア / 中央 / ローマ / 帝国 / 皇帝 / 属州
研究概要

本年度は、追加調査として、属州都市の様子を見ようとトルコのローマ都市を見学し、イタリア・ミラノにおける国際学会でこの科研費の研究の報告をした。以下はこの報告の要旨である。帝政初期後半、五賢帝時代のトライアーヌス帝以降、ローマはイタリア地方都市の自治に財政面で介入してくる。皇帝が任命するcurator rei publicaeの地方都市への派遣である。このような中央ローマの地方都市への介入が地方都市を衰退させ、さらにはローマ帝国を衰退させた原因である、と言われてきた。私はここで、時期を限定し、curator rei publicae出現以前、帝政初期前半の中央ローマとイタリア地方都市の関係を見てみた。イタリア地方都市は中央ローマの政治に係わることをやめ、自己完結的な目的、公共施設の建築に邁進した。この時期のイタリア地方都市における公共事業の多さがそのことを物語っている。すなわち、都市の外観をローマにまねて美化することに関心を集中させた。イタリア地方都市の多くは、この時期、建築ブームとなっていた。一方、中央ローマは、ローマの政治決定能力を一身に集中させ、その過程で政治的に高度化された皇帝の地位を巡る権力闘争に明け暮れることになる。この時期の第一級史料を提供するポンペイを例に取ると、都市は中央ローマに様々な形で接近を試みる。それは都市が中央ローマを単に公共事業の資金提供者としか見ていないのであって、中央ローマの政治に参加しようというのではなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsuneo IWAI: "The Romana Emperor and Italian Cities during the Principatus"ミラノ市立博物館紀要. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 岩井 経男: "存在しなかった城門-カプア門-"2003年度中国四国歴史学地理学協会研究大会報告集. 26-27 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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