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2000 年度 実績報告書

アメリカ・ポピュリズムと自由労働イデオロギー

研究課題

研究課題/領域番号 12610390
研究機関神戸大学

研究代表者

横山 良  神戸大学, 国際文化学部, 教授 (30127873)

キーワードポピュリズム / 労働騎士団 / グレンジ / グリーンバック運動 / 農民運動 / 労働運動
研究概要

本研究は、19世紀前半のアメリカに生じた、いわゆる「自由労働イデオロギー」が、19世紀後半のアメリカの民衆運動、とりわけポピュリズムにまで流れ込んでいたことを証明することを第一の目的としている。その際、ポピュリズムにいたる、グレンジ、グリーンバックなど農民運動だけでなく、南北戦争後の労働運動、とりわけ「労働騎士団」の果たした役割に注目している。労働騎士団は、AFLとは異なり、賃金労働制度を否定し、協同組合的事業や土地所有による自立を目指した運動であった。この労働騎士団こそが、後にポピュリズムが発生した地域に早くから浸透し、思想と組織の面で、ポピュリズムの準備の一端を担ったものと思われる。そういう意味でポピュリズムとは純粋な農民運動ではなく、農民的運動と労働者的運動の混合の上に形成された運動であったと言ってよい。
このことを立証するためには、労働騎士団など労働運動の側が、土地問題など、本来農民的要求と目されてきた課題をどう捉えたのか、また、逆に、このような課題をグレンジなど農民運動はどう捉えたのかを、第一次史料にあたって明らかにする必要がある。このため、平成13年2月9日から2月24日にかけて、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ウィスコンシン州歴史学協会図書館、アメリカ・カトリック大学図書舘において、資料調査を行った。その結果は上記の仮説をほぼ裏付けるものであった。この結果は、今後、論文ないし著書の形で公刊していきたい。
なお、史料調査に先立ち、仮説を富田虎男・鵜月裕典・佐藤円(編著)『アメリカの歴史を知るための60章』(明石書店、200年12月)の担当部分、第33章「工業の発展と巨大企業の出現-「世界の工場」の座へ」、第34章「労働運動・農民運動・人民党-自由労働イデオロギーの終焉」において提示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 冨田虎男 他(編著): "アメリカの歴史を知るための60章"明石書店. 268 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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