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2002 年度 実績報告書

ドイツ共産主義運動の男性優位主義的性格とドイツ社会

研究課題

研究課題/領域番号 12610400
研究機関明治大学

研究代表者

斎藤 晢  明治大学, 政治経済学部, 教授 (80130813)

キーワードドイツ / 東ドイツ / ドイツ共産党 / 社会主義統一党 / 女性 / ジェンダー / 消費社会
研究概要

本研究は、1918年以降のドイツ共産党と、第2次世界大戦後の「東ドイツ」における社会主義統一党の、プロレタリア革命あるいは社会主義建設に向けた政策と運動の特徴を、ドイツ社会の歴史的な性格、特にその男性中心的な性格と関連づけながら解明しようとするものである。研究は主に2つの部分に分けて行われた。第1は、1933年以前のドイツ共産党の運動がプロレタリア女性の政治化にどのような関わりを持ったか、という問題を扱った。共産党機関紙『赤旗』に掲載された労働者通信員の「通信」を主な史料にして、1)共産党が女性の抱えるいかなる種類の問題を、女性を政治化させ、党の運動へと動員させていく上で重視していたのか、2)女性の問題を取り上げる党の視点を、ジェンダーという角度からみるとき、そこにどのような特徴があるのかが、分析の中心である。ここでは共産党が女性差別やセクハラ等、女性に固有の問題を取り上げながらも、それをもっぱら階級問題へと還元したため、「通信」が女性の政治化に十分には寄与しなかったことが明らかにされた。
第2のテーマは、戦後「東ドイツ」における社会主義建設の過程で、女性の解放や社会参加を支えていくために、社会主義統一党と東ドイツ政府は家庭生活、特に消費生活の発展のためにどのような政策を進めたのか、ということである。ここではまた、資本主義に特徴的であった消費社会を、社会主義のシステムの下で形成しようとするとき、どのような問題が現れるのかということに焦点を当てながら、東ドイツ社会主義の特徴を明らかにすることも、行われた。
研究を進める過程で、戦後西ドイツにおける消費社会の発展と女性の関係に関する論文を執筆した。ここで得られた成果と東ドイツにおける消費生活の発展に関する研究成果とを比較することで、体制の如何を問わず、東西ドイツの社会像が、家庭内での伝統的な性差役割分業を基礎としたきわめて類似したものであることが明らかになるであろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 斎藤 晢: "家事と消費生活-ヴァイマル時代から「経済の奇蹟」まで"明治大学「政経論叢」. 71/1・2. 1-50 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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