平成14年度は本課題について最終年度にあたるため、第1に、研究成果の発表に重点を置いた。具体的には、(1)概史・理論に関わる論文の発表(「戦後和解と集団的赦しについて(公刊)」、他1本投稿中、(2)フィールド・ワーク(『戦争の傷と和解(編著・公刊)』「<和解の森>という試み(公刊)」、他1本投稿中)、(3)和解とナショナリズム(「赤い十字と異教国-近代日本におけるナショナリズムと<非宗教>(発表予定)、"The 'non-religious' red cross emblem and Japan(published in English/French)")、(4)国際経済関係("The pressure of the past on the future : Anglo-Japanese economic relations in the late 20^<th> century(発表予定)")、(5)<戦争の記憶>(「腐敗・癒し・再生-日本軍捕虜収容所のイギリス人医師(報告済・論文投稿中)、「戦時敵国の残虐行為の情報公表と戦後の和解についての史的考察(論文審査済・修正中)」、他1本公刊)、(6)第19回国際平和研究学会総会(2002年7月)において"Japan's post-war reconciliation in Asia"セッションの司会および報告(成果は学会ニューズレターに投稿中)、(7)1997年以降木畑洋一らと進めてきた<戦争の記憶>と捕虜問題についての日英共同研究の成果を論文集として東京大学出版会より2003年5月公刊予定である。第2に、上記論文を作成するため研究者との情報交換、追加調査を行なった。コベントリー、リーズ、ケンブリッジ各大学の和解研究・東アジア研究の専門家との情報交換は有益であった。第3に、(1)赤十字標章をめぐる和解問題、(2)日露和解について調査と情報交換を進めた。
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