(1)平成12年度に揃えた主要設備を用いて、発掘調査によって墳端が明らかにされた前方後円墳の分析およびデータ化を引き続きおこなった。地形上の制約を受けたりして平面形が歪んだ事例が少なくないため、複数の復元案を並列的に表示するシステムが欠かせないことが判明した。また、あわせて分析マニュアルの再整備をおこなった。 (2)奥の前1号墳の第三次発掘調査を実施した。中心埋葬である長持形石棺の周辺構造を、石棺部材の搬入という観点から入念に調査し、重い部材の搬入口をほぼ絞り込むことができた。また、前方部平坦面でも埋葬がおこな一われた可能性を探求したところ、時期を違えて墳丘主軸に平行して設けられた2基の埋葬施設を検出した。 (3)かつて奥の前1号墳から出土した遺物のうち、すでに大半が回収されていた竪矧板革綴短甲の資料化を終えた後、保存処理を施した。
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