1.発掘調査で墳端・段築成状況などが明らかにされた前方後円墳の築造企画の検討結果を電子情報化し、速やかな比較検討がおこなえる環境整備について問題点を整理した。やはり、期待される緻密さに対して、電子情報化したデータの縮尺精度が検討課題であることが明らかとなった。 2.墳丘の築造が部分的に省略された点で注目すべき前方後円墳である「奥の前1号墳」(岡山県久米郡久米町所在)について、これまでの五次にわたる発掘調査成果の概略をまとめ、今後の調査で検討すべき課題を整理した。 3.美作地方における前期前方後円墳の築造状況を説明づける上で重要な存在である、美作南部、吉井川と吉野川の合流点を眼下に望む山頂に築造された大形円墳、釜の上古墳(岡山県柵原町所在)の墳丘測量調査を実施した。 4.本研究のこれまでの成果のうち、とくに「奥の前1号墳」と関連する遺物(楕円筒埴輪・長持形石棺・竪矧板革綴短甲など)について概要をまとめた。
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