2003年3月15日、大阪歴史博物館において開催された「講演会・シンポジウム:旧石器人たちの活動をさぐる-日本と韓国の旧石器研究から-」で「東アジアと日本の旧石器文化」と題して、岩手県金取遺跡の火山灰層序学・地形史的位置づけ、韓国全谷里遺跡における最新の日韓共同研究成果を発表。 同5月4日、韓国京畿道漣川郡全谷里で開催された「第2回韓国全谷里旧石器遺跡記念国際学術会議-全谷里遺跡の地形学的形成過程と東アジア旧石器-」において、Origin of the late Paleolithic in Northeast Asia.と題して、口頭発表を行った。本発表はその後同Proceedings(2003年12月)に収録。また同会議において、漢陽大学校裴基同教授との共同研究テーマ「全谷里旧石器遺跡の年代解明」のもとに、成瀬敏郎・林田明・檀原徹・兪剛民等と連名でLoess-paleosol sequence in Chongokni Paleolithic siteと題して研究発表をおこなった。本研究は広域テフラ・古地磁気層序・OSL年代測定・レス-古土壌編年にもとづいて高精度の韓国旧石器編年を確立するうえで重要な地質年代枠組みを提供することになった。本研究成果はその後同Proceedings(2003年12月)に収録。 同6月7〜10日、岩手県金取遺跡の火山灰層序学的位置づけを補強するため、岩手県・山形県下の指標火山灰のサンプリング調査を実施。同9月18〜28日、韓国龍湖洞遺跡、老隠洞遺跡、花渓里遺跡、魯峰遺跡、上舞龍里遺跡、好平洞遺跡等の資料調査を実施し、日本列島出土旧石器との比較検討をおこなった。同9月24〜26日、日韓共同研究の一環として韓国全谷里遺跡において玄武岩頂面の深度を解明する電探調査を実施し、基礎的なデータを収集した。
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