本年度は昨年度に引き続き、台湾総督府編纂国語読本の用語総索引の作成を中心に作業を行った。第I期と同じく冬期においても、単位切りと索引データの並べ替え、ソートの手順で作業を行い、終了した。作成したプログラムは大量のデータを扱う場合、使いづらく、その改善を検討し、その概略を決定した。これに関しては来年度酒井が行う。 また、用語索引の体裁を考えるために、第I期の国語読本を材料にその書式を決定した。昨年度の課題であった字体の問題やルビの使用、文字コードについては関連のデータベースを参考に検討を行い、できるだけ汎用性の高い形式を採用することに決定した。 国語読本は内地の『国定読本』と時期的にはほぼ平行して出版されているが、後期になればなるほど、内地との共通性が高く、前期は台湾の独自性が強い。そこで、まず、第I期の分析から着手することとし、成立時の関係史資料の収集を開始した。また、朝鮮総督府編纂教科書等外地の教科書との比較についても視野に入れる必要があり、来年度その収集を開始することを決定した。
|