研究概要 |
今年度は,次の(1)から(3)の調査・研究を行った。 (1)日常会話の録音・文字化 (2)補助的に使う話しことば資料の収集 (3)既存資料を使った話しことばの主題・とりたて助詞の分析 (1)については,平均30分程度の会話を約10本,MDに録音し,その文字化を行った。録音された会話は,話しことばの特徴が出やすいインフォーマルなものが多い。文字化した資料から,話しことばにおける主題・とりたて助詞のおおよその傾向を知ることができるようになった。 (2)については,補助的に使う話しことば資料として,伴一彦の全シナリオなどをパソコン上で使えるめどをつけた。 (3)については,既存の話しことば資料である『女性のことば・職場編』や「男はつらいよ」シリーズの映画シナリオを使って,話しことばの主題・とりたて助詞の出現傾向や用法などについて,おおよその傾向を分析した。その結果,書きことばと話しことばによって主題・とりたて助詞の出現傾向に次のような違いがあることがわかり,今後は,書きことばにはほとんど表れない話しことば特有の主題・とりたて助詞を分析していくことにした。 (a)書きことば中心に使われるもの:「こそ」「なら」「ばかり」など (b)話しことば中心に使われるもの:「なんか」「だって」「とか」など (c)書きことばにも話しことばにも使われるもの:「も」「しか」「だけ」など
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