(1)初期一条兼良古典学の代表的著作であり、かつ、兼良の処女作と目される『公事根源』の伝本の悉皆調査を企図し、本年度は、下記の文庫・図書館に所蔵される伝本を調査し、可能な限り紙焼本を作成した。 (滋賀県西教寺)正教坊文庫(国文学研究資料館蔵マイクロフィルムによる調査) 順天堂大学医学部医史学研究室山崎文庫 西尾市立図書館岩瀬文庫(東京大学史料編纂所蔵写真帳による調査) 東京大学史料編纂所(四本) 東京大学総合図書館 東海学園大学名古屋キャンパス図書館哲誠(関山)文庫 名古屋大学附属図書館神宮皇学館文庫 京都府立総合資料館 大阪府立中之島図書館 金沢市立玉川図書館近世史料館加越能文庫 水府明徳会彰考館(国文学研究資料館蔵マイクロフィルムによる調査) 二松學舎大學附属図書館 東京国立博物館資料館 国立歴史民俗博物館(二本)(紙焼写真版による調査) この他、以前一見した折の書誌調査ノートから、 阪本龍門文庫 に蔵される1本についても、その概要を報告書に記した(本文未精査)。 (2)上記諸伝本の内、紙焼本による調査が大略完了した諸本に関しては、書誌データを公表し、併せて系統分類のための若干の私見を示した。 →『研究と資料』第45輯(2001/7) 『研究と資料』第46輯(2001/12) (3)京都国立博物館に所蔵される一条兼良自筆『樵談治要』を実地調査し、全冊の写真版を作成した上、解題を付して、翻刻を試みた。 →『埼玉大学紀要 教養学部』37-2(印刷中)
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