風雅和歌集伝本のうち、三手文庫本・京都府立総合資料館本・仏教大学本などの調査・撮影を行った。とくに三手文庫本は、国学者契沖の注の書き入れがあり、貴重である。注釈作業の上での活用が見込まれる。以上によって、当初予定していた風雅和歌集の伝本調査をほぼやり遂げることができた。これらの作業に基づいて、京都女子大学図書館蔵谷山茂旧蔵本を底本としつつ、校本作業を本格化した注釈的研究では同集雑音部後半を中心に行った。関連する研究成果として、「曽禰好忠の和歌表現」(『文学』2002・3、岩波書店)および「古来風躰抄における万葉集 メタテキストとしての抄出」(『院政期文化論集二 言説とテキスト学』2002・12、森話社)を刊行した。
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