研究課題
基盤研究(C)
宋版一切経のうち、東禅寺版・開元寺版に認められる日本僧の手に係る施財刊記を集め、主にその施財時期・背景について分析した。東禅寺・開元寺各版の詳細な刻工名調査を本源寺所蔵の一切経に即して行い、そこで得られた刻工名や施財刊記を東寺蔵宋版一切経などのそれと比較し、又、従来知られることのなかった施財刊語中の「下州千葉寺了行」・「日本西山法華寺慶政」の施財時期を約10年間に限定した。了行については『吾妻鏡』などに登場し、近時、石井進氏の詳細な解明のあった中山法華経寺蔵する日蓮遺文紙背文書群に活躍する「了行」であろうと推定し、意教については、東密の意教流の祖である意教上人頼賢であることを証明し、その入宋の可能性について解明した。更に「了行」「意教」を「慶政」に結び、彼らの入宋施財の政治的経済的支援を九条道家及びその周辺に求めた。傍ら、宋・元版を受容した寺院の聖教類の調査を行った。具体的には建仁寺両足院・随心院・高山寺・日光輪王寺・七寺などへ赴いて原本の書誌的調査を継続して行った。特に七寺蔵『大乗毘沙門功徳経』に関連して、「本地物」の研究を韓国の典籍・昔話のなかに探り、その典籍類の一部の書誌的調査に着手した。
すべて 2002 2001
すべて 雑誌論文 (8件)
中世文学 46
ページ: 103-110
日本文学 2002. 7
ページ: 38-45
説話論集 11
ページ: 221-243
The chusei bungaku Vol.46
The nihon bungaku
The setsuwa ronsyu, Seibundo(清文堂) Vol.11
東方学報 70
ページ: 253-280
The toho gakuho Vol.70