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2001 年度 実績報告書

二十世紀における日本文学・文化とメディアの相互連関を対象とする総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610456
研究機関早稲田大学

研究代表者

宗像 和重  早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (90157727)

研究分担者 金井 景子  早稲田大学, 教育学部, 助教授 (20318744)
高橋 世織  早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (50163267)
高橋 敏夫  早稲田大学, 第一文学部, 教授 (20236300)
十重田 裕一  早稲田大学, 第一文学部, 助教授 (40237053)
キーワード東京朝日新聞 / ゴジラ / 藤沢周平 / ジェンダー・フリー / 国語教材 / 文藝春秋
研究概要

本研究は、二十世紀の日本の文学・文化とメディアの問題を、多角的・総合的に検証することを目標とし、二年間にわたる共同研究として企画された。その結果、(1)近代の文学は、これまで、書物や雑誌・新聞といった活版印刷によって流通し、読まれることを前提としてきたが、たとえば雑誌の販売部数や売り上げ高、新聞の配達経路など、その実態をより具体的に検証することの重要性が明らかになったこと、(2)その活版印刷が必ずしも普遍的なものではなく、過渡的なメディアの一形態であり、今日のいわゆる文学の衰退が、活字媒体の衰退と通底していることが確認できたこと、(3)一方、映像表現や朗読など、視覚や聴覚に関わって、活字媒体では切り捨てられてきた言葉の身体性に目を向けることの必要性が認識されたこと、(4)いわゆる大衆文学や怪獣映画など、従来は傍流とされていた分野に、現代の文化現象を把握するためのきわめて大きな手がかりが見いだされたこと、(5)メディアの問題を検証するためにも、研究者自身の差別やジェンダーに関わる意識が問われなければならないことが自覚されたこと、--などがこのたぴの大きな収穫であったと考える。
しかし、いうまでもなく、このテーマはきわめて大きく、限られた期間の研究で全てを尽くせるものではない。また当初は、大別して初年度を個別研究、二年目を共同研究という位置づけであったが、テーマの大きさと重要性に鑑みて(それはわれわれのよって立つ研究基盤そのものを問うことであるから)、中途半端な「結論」を導き出すよりも、それぞれの研究テーマをさらに深めることが重要である、という認識で一致し、結果としては今年度も、それぞれの分野で個別の研究を深めることになった点をおことわりしたい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 宗像和重: "「白樺」の実り"週刊朝日百科 世界の文学. 93号. 82-84 (2001)

  • [文献書誌] 宗像和重: "「こゝろ」を読んだ小学生"文学 隔月刊. 第2巻・4号. 55-69 (2001)

  • [文献書誌] 高橋敏夫: "突発的暴力からたちあらわれる「怪物」たち"國文学 臨時増刊. 第46巻・第9号. 77-82 (2001)

  • [文献書誌] 高橋敏夫: "ゴジラと高度経済成長"國文学. 第46巻・第13号. 117-121 (2001)

  • [文献書誌] 高橋世織: "『謎』の系譜-ミステリー・ゾーンとしての団子坂"明治文学の世界(柏書房). (図書). 142-146 (2001)

  • [文献書誌] 金井景子: "ジェンダー・フリー教材を探しに"男女という制度(岩波書店). (図書). 263-293 (2001)

  • [文献書誌] 金井景子: "「文学作品」がジェンダー・フリー教材になるとき"文学 隔月刊. 第3巻・第1号. 189-200 (2002)

  • [文献書誌] 十重田裕一: "方法としてのモダニズム"週刊朝日百科 世界の文学. 95号. 142-145 (2001)

  • [文献書誌] 十重田裕一: "交錯する雑誌のゆくえ"文学 隔月刊. 第2巻・第4号. 70-86 (2001)

  • [文献書誌] 高橋敏夫: "藤澤周平-負を生きる物語"集英社. 238 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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