前年度に引き続き、国会図書館・刈谷文庫に所蔵されている御会和歌集を調査し収集した。具体的には前年度、予算の都合上残ってしまった国会図書館所蔵『内裏和歌御会・仙洞和歌御会』の一部と刈谷文庫所蔵の『元文集』(写本三冊)『寛保集』(写本五冊)『延享集』(写本六冊)を収集した。 また、御会和歌の周辺資料については、内閣文庫のもの以外に、いまだ有効な資料を見出せていない。 御会和歌データベースについては、国書総目録や図書館目録を利用して全国御会和歌資料現存データベースを不完全ながらも作成した。これは、書名・所蔵・掲載年度(和暦・西暦)を記したものである。その結果、やはり一級資料だと思われる宮内庁書陵部のものを調査すべきことが判明し、来年度以降は、書陵部を中心に調査をおこなうことにした。また、現存データベースについても、もれているものが多いと思われるので、来年度以降完成に向けて進めていきたい。 資料の内容を入力する御会データベースについては、書陵部所蔵の『公宴続歌』の近世部分を入力した。また、それとともに、他の収集資料についても複写を行い、謝金をともなう入力協力によって随時入力を進めていった。内容入力は時間がかかるため、今後は当初の予定通り、御会和歌名・歌題名・役人名・出詠者名などの概略データベースの作成を先行させることも必要だと考えている。 以上が本年度の実績概要だが、資料が膨大なこともあって、未だに調査・収集、データベース作成が中心となっており、成果を出すには至っていない。しかし、来年度は作業を進めていきながら、関連論文を作成し公表していく予定である。
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