研究概要 |
1.平成12年度の実施計画 本年度の実施計画は,(1)「五四と20年代の文学創作の発想様式の検討」に関わるもので,基礎的資料として「新青年」を選び、研究のキーワードとなる概念(「光明」と「暗黒」)との関連語彙(例えば「歌頌/暴露」)を抽出し,この語彙表を手がかりにその他の資料の具体的な作品、理論的文章を読んで、「光明/暗黒」という発想法の成立条件を考察すること。(2)研究課題の解決に必要な資料(「新青年」復刻版およびCDROM版、五四期から1920年代の文学雑誌復刻版等)を整備する。(3)中国の研究者からレビューを受ける,の3点の実施であった。 2.計画の実施状況 (1)「新青年」を基礎資料として,関連語彙抽出の作業を学生アルバイトを使いながら進めている。現在まだその作業中であり,語彙表作成の段階にない。(2)資料整備は,「新青年」復刻版およびCDROM版の購入が終わった段階である。これ以外に必要資料の購入が進行中であり,研究資料の整備は成果をあげている。(3)平成12年8月南京大学中文系を訪問,同大学現代文学研究所長朱寿桐教授らからこの課題についてレビューを受けた。 3.成果 研究のキーワードとなる「光明」と「暗黒」に基づく文学史的な概観を詩のジャンルをもとに行ない,その成果(「On the Light/Darkness Model」)を九州大学大学院比較社会文化学府「比較社会文化」第7巻に発表した。
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