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2002 年度 実績報告書

意味モデルとしての回転式に基づいた意味解釈理論

研究課題

研究課題/領域番号 12610478
研究機関埼玉大学

研究代表者

仁科 弘之  埼玉大学, 教養学部, 教授 (20125777)

キーワード行為動詞 / 回転式 / 先行詞決定 / ゼロ代名詞 / センタリング・モデル / 極小理論
研究概要

本研究では、平成12年度から14年度に亘って、行為動詞の精密な運動論的意味論構築のための基礎研究をおこなった。
ワイヤー・フレームモデルで記述した動作トークンを回転式で表示し、これをモデルとして、このモデル上で様相運動論理式を評価した(平成12年度ならびに13年度)。各運動点の相対的回転の複合体が記述可能となった。これは行為の記述、すなわち、その行為の意味(denotation)に相当する。えられた論理式から動作動詞意味を構成的に表す意味単位を抽出するアルゴリズムを研究した。この課題は本研究によってかなり解決をみた。包括的な意味理論を構築するためには、動作動詞が取る目的語の側の運動意味論の可能性を探らなければならない。
運動意味論構築に際して今後の研究射程に入ってくる問題の試行研究(平成14年度)も行った。
N・チョムスキーの極小理論を、これによく比肩される一般句構造文法と、文法操作及び表現能力の点で比較調査した。本意味理論を実装する統語論候補としては、主辞駆動文法の方が枠組みに適合しやすくみえるが、一層の調査が必要である。
意味理論と切り離せない現象として、談話における代名詞の先行詞決定問題がある。先行詞決定問題をセンタリング・モデルがどこまで扱えるかを、日本語ゼロ代名詞を例に検証した(平成13年度並びに14年度)。その結果、さらに文文法と談話文法のあいだにより密接な橋渡しが必要であることが判明した。センタリング・モデルが項関係や文内トピック等のような文文法の要件をまだ十分に使いこなしていないように思われる。
本研究の一部は平成13年9月に開催されたチェコ・科学アカデミー主催「動的論理国際コロキューム:意味は動的か」において発表され、参加者からその独創性を高く評価された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 茂木和洋, 佐藤滋, 仁科弘之: "センタリング・モデルに基づいた対話におけるゼロ代名詞の解釈"自然言語処理研究(情報処理学会). (2002)

  • [文献書誌] Hiroyuki NISHINA: "Abstracting Semantic Interpretation from Action Tokens in terms of Rotation Forulae"松田徳一郎教授追悼記念論文集 研究社. (出版予定). (2003)

  • [文献書誌] 仁科弘之: "言語科学の発展とその背景-機械から生物へ"初等教育資料8月号(文部科学省). 76-79 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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