• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

後期古英語散文における'Wulfstan imitators'のテクストと言語の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610479
研究機関東京大学

研究代表者

小川 浩  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90029736)

キーワード古英語 / 散文 / 説教散文 / テクスト校訂 / 写本 / 統語法 / 文体
研究概要

本研究は、後期古英語説教散文のうち、とくに二大作家の一人Wulfstanの特徴的な文体を模して説教散文を書いたと言われる無名の作者たち(所謂'Wulfstan imitators')による作品群のテキストと言語についての研究である。'Wulfstan imitators'なるものの存在については19世紀末以来賛否両論あり、古英語散文史の最も重要な問題であるにもかかわらず、今日でも依然として意見の一致をみるに至っていない。したがってWulfstanとその周辺のこれらの一連の散文作品についての徹底した比較研究がいま求められている。
初年度には当該作品のパラレル・テクストを作成したが、これは既存の刊本に基づいており、これだけでは本研究の目的に充分とは言えない。加えて、とくに重要な作品については、原写本上の句読点などを再現した、より厳密なテクストを確定することが必要である。この観点から今年度は当該散文作品のうち次の四つについて、原写本のマイクロフィルム、ファクシミリ版を用いて新たな校訂を行い、これをほぼ完了した:(1)Napier XL (MS Hatton 114), (2)Napier XL (MS CCCC 419), (3)'Item alia'(MS Hatton 114, fols. 242v-46v), (4)Napier LVII (MS Lambeth 489, fols. 31r-38r)。これらはいずれも、原写本の年代、'imitators'の文体の多様性、説教散文の系譜などの諸観点から本研究テーマを有効なものとするうえで重要な作品である。とくに(1), (3), (4)はこれまで未校訂であり、また(2)についても既存の校訂本の原写本に基づく見直しを行った。(ただし(2)は時間の制約で一部に留め、残りは引き続き次年度に行う予定である。)以上の基礎作業によって、次年度に'Wulfstan imitators'の言語についての研究を進める態勢を整えることができたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 小川 浩: "英語学と言語学の狭間-フィロロジーの立場から-"英語青年. 147.1. 29-31 (2001)

  • [文献書誌] Hiroshi Ogawa: "Aspects of "Wulfstan imitators"in Late Old English Sermon Writing"Studieds in English Historical Linguistics and Philology : A Festschrift for Akio Oizumi. 389-403 (2002)

  • [文献書誌] 小川 浩: "Napier XLとNapier LVIII:二つの'pseudo-Wulfstan'homiliesとその古英語散文史における位置"Studies in Medieval English Language and Literature. 17(予定). (2002)

  • [文献書誌] 松沢有編 小川浩ほか4名: "英語の歴史(テイクオフ英語学シリーズ1)(第5版)"大修館書店. 188 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi