研究概要 |
当初の計画では本年度は,近代的植物学の始祖とされる学者の排出した、ドイツ及び低地ドイツ地方の資料、つまり、O.Brunfels(?1478-1534)、H.Tragus(1498-1554).L.Fuchs(1501-66).V.Cordus(1515-44)、R.Dodoneus(1517-85)等の学者に関連する基礎的文献を購入することが第一の目標であり、次いでこれらの文献は多くは古く高価であって、日本にない場合が多々あるため、海外の図書館等を訪れ、関連する文献を調査すること、最後に日本各地の図書館を利用して関連の資料を収集すること等が計画された。そのため平成12年7月初旬から下旬にかけてほぼ3週間を費やし、イギリスのロンドンからハンガリーのプダベストに至るまで、特にベルギーを中心として各国、各都市の図書館,博物館、古書店等を渉猟することとなった, ただ、始めにも記しているようにこれらの文献は貴重であり、高価なものが多くそれ程多数購入することは出来なかったが、ドイツ関連では本格的本草学の先駆者とされる、Theoderich DorstenのBotanicon(1540)と17世紀の本草家Thomas PanchowのHerbarium portatile(1679)、また,イタリアの近代的植物学者のPierandrea Matthioliのラテン語のOpera...omnia(1674)やボルトガル人Garia de OrtaのAromatum et simplicium medica-mentorum(1593)を購入出来たのは幸いであった。これらの図書は私の知る限り日本にはないと思われるし、特にDorstenのものは初版本であり資料的価値は極めて高い。 イタリア,ボルトガル関連の文献は当初、平成14年度に購入予定であったが、今回の好機を利用することとした。年度末には京大と日文研を訪れ関連の文献の補足整備を計画している。BrunfelsやFuchs等の文献についてはそれ程の成果はなかったが、Dodoneus関連では若干あり,現在、整理研究中である。
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