研究概要 |
当初の計画では本年度は、主としてスイス、及びフランスの学者、つまり、K.Gesner(1516-65)、J.Bauhin(1541-1612)、G.Bauhin(1560-1624)等に関連する基礎的文献、資料の収集を主要な活動とし、それを補うために日本各地の図書館にある関連の資料の渉猟を行うのが目的であった。日本では得られない文献、資料の一部については、Zvrich, Strasburg等の都市を訪れ購入の予定であった。しかし、今年度は海外で資料収集するための時間的余裕が許されない状況で、昨年度に比して満足出来るものではなかった。ただ、昨年度来のドイツ低地地方の文献の補充や、イギリスの本草に関連する文献、資料の充実はかなり行うことが出来た。例えば、本学の図書館の協力を得て購入したCarolus Clusius著のRariorum Plantarum Historia(1601)は世界的に貴重な本草書であるし、江戸時代の蘭学では聖典のように崇められた,F.Halma著のWoordenboek der Nederduitsche en Fransche Taalen(1781)を購入出来たのは非常に幸運であった。さらに,イギリス関連でも数冊重要な文献を手に入れる事が出来た。これから年度末に向けて東大、日文研等での研究調査を精力的に行い,当初のスイス、フランス関連のみならず、英国、ドイツ低地地方の文献の補充を行い、今回の研究活動の精度を高めたい。
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