平成14年4月より9月までアメリカにおいて在外研修の機会を与えられ、カリフォルニア大学デイヴィス校およびスタンフォード大学において研修を行った。アジア系アメリカ研究の現在の動向や新たな方向性などを研究者との交流やシンポジウムへの参加などを通じて学ぶことができた。各大学のアジア系アメリカ研究の授業にも出席し、授業の方法などを学び、使用されているテクストを入手したので、それを将来の大学での授業に活かしたいと思っている。(設備備品費、消耗品費)また、本研究のテーマである戦時下のアメリカ・カナダにおける創作活動に関して、それぞれの大学の図書館などで資料の収集を行った。特に、スタンフォード大学のフーバー研究所には強制収容時の日系新聞や政府資料が保存されており、日本では読む機会のない貴重な資料を調査することができた。戦争直前の日系二世の状況を知るうえで貴重な資料でもある日系二世を対照とした雑誌『カレントライフ』も全巻、検討しヒサエ・ヤマモトやトヨ・スエモト、トシオ・モリなどのエッセイや詩、小説を収集した。さらに、強制収容所のなかでも特に活発な創作活動を行っていたトーパース収容所で発行されていた文芸雑誌のAll Aboard やTrekを検討し、戦争中の2世作家の様々な葛藤と読み取ることができた。なお、研修中には日系作家のワカコ・ヤマウチにもインタヴューを通じて、戦争中の創作活動についての貴重な話しを聞くことも出来た。これらの収穫をもとに報告書を作成して提出する予定である。(印刷費)
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